1.創
世 記 〜 郷 土 芸 能 の 危 機 に 際 し て
昭和30年代より皆野の郷土芸能後継者減少、またそれぞれ芸能従事者の高齢化という危機に際し、故・関根幸一は各関係者からの要請もあり、郷土芸能育成のための組織づくりと楽譜の整備などの準備を始める。音楽教師でもあった関根は、昭和25年頃より皆野の芸能の親方たちから直接採譜し、もともとの口伝えの“口譜”を表記する楽譜を考案して記録した。“口譜”のひとつひとつが芸能の舞いなどと密接に関わるため、西洋音楽の五線譜にするわけにはいかなかった。同時にこの皆野の奏楽のための篠笛の奏法などもまとめ、楽譜は将来へと残されることとなった。また、関根は、いかにして正しい奏楽がまちがったリズムや旋律へと移行するかの検証も行ない、それも文献にまとめた。こうして、昭和40年代前半までに関根が一人の足で取材し準備する第一段階が終わり、昭和40年代後半より次の後継者育成のための組織づくりへと移行する。
2.次
々 と 講 習 会 を 開 講 〜 会 の 発 足
皆野民俗芸能奏楽研修会は、昭和50年7月、皆野古典芸能保存会所属皆野民俗芸能奏楽研修所として発足。創設者の故・関根幸一の手記によれば、創設時の顧問は、古典芸能保存会会長一和田義光氏、秩父音頭家元金子千侍氏、皆野椋神社獅子舞団親方高橋保一氏、同親方吉田鶴吉氏と、錚々たるメンバー。
皆野民俗芸能奏楽研修会後援にて、
●昭和50年8月皆野第4区にて郷土芸能講習会開講。
●同年金曜会にて郷土芸能講習会開講。
●昭和51年第1区において郷土芸能講習会開講。
●昭和52年8月腰滝の沢クラブにて郷土芸能講習会開講。
●昭和53年土京にて郷土芸能講習会開講。
●昭和55年日野沢沢辺地区にて郷土芸能講習会開講。 |
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それぞれ1年以上の講習を経て、各講習会はそのまま、皆野民俗芸能奏楽研修会第1支部、第2、第3、第4、第5、第6支部へと発展、現在に至る。(現在第1、2、4支部は活動停止中。)
3.少
年 部 発 足、郷 土 芸 能 の 未 来 を 託 し て
少年達への指導は昭和51年に皆野小学校の協力のもとに講習をはじめ、昭和52年に少年部第1期生が誕生。以後、現在まで、小学校の郷土芸能クラブへ講師を派遣して子供たちへの講習会を開講。現在第26〜28期の郷土芸能講習会を開講中。
平成14年3月現在、少年部は第19期〜25期生(中学1年生〜高校生3年生)が活動中。 |